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![]() 平成24〜25年度: 公募研究16多能性幹細胞由来肝幹・前駆細胞を用いた胆管疾患解析系の構築
研究成果
本領域の公募研究の成果として、以下のことを明らかにしました。 (1)ヒト多能性幹細胞からの肝前駆細胞誘導系では、ヒトES細胞およびiPS細胞を用いてin vitroでの分化誘導・純化系を構築し、長期増殖能と分化能を持つ肝前駆細胞が細胞表面抗原マーカーCD13およびCD133の両陽性分画に濃縮されることを見出しました。この細胞の増殖には、Epidermal Growth Factorの添加およびRock阻害剤、ALK阻害剤の添加が必須であり、これらのシグナルがヒト肝前駆細胞の長期増殖に関与することが示唆されました(PLoS One, 2013)。 (2)ヒトiPS細胞由来肝前駆細胞からの胆管分化誘導系では、(1)で樹立した純化・培養系を用いたヒト胆管構造誘導系の構築を行ないました。ヒトiPS細胞由来肝前駆細胞をフィーダー細胞上で長期培養することで、その一部が胆管上皮前駆細胞様へと変化することを見出しました。この細胞を表面抗原マーカーを用いて純化し、細胞外マトリクス包埋培養を行うことで、胆管マーカーKeratin7陽性で極性を持つ上皮細胞シートで構成されたCyst構造が誘導されることを明らかとしました。 以上の結果から、本研究ではヒト多能性幹細胞から肝前駆細胞分化を通じた胆管構造誘導系を構築しました。 |