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平成24〜25年度: 公募研究17

癌抑制遺伝子産物APCが関わる上皮管腔形成機構とその破綻による癌発症機構の解明
研究代表者: 川崎 善博

研究概要

癌抑制遺伝子APCの異常は、大腸癌発症の最も重要な原因の一つであると考えられています。これまでにAPCに結合する新規蛋白質としてRac1/Cdc42特異的なguanine nucleotide exchange factor (GEF) 分子Asefを同定しました。ほとんどの大腸癌で発現しているC末端領域を欠失した変異APC断片がAsefの恒常的活性化を誘導し、腸管腺腫の発生や大腸癌細胞の浸潤能活性化を招く原因となっていることを突き止めました。また、正常細胞においてAPC/Asef複合体はHGFなどの遊走シグナルの刺激を受けてラッフリング膜に集積し、細胞運動の制御に関わっていることも明らかにしてきました。さらに現在、APCやAsefの発現抑制が管腔形成能低下に繋がること示す予備的な結果を得ています。本研究では、これまでの研究内容をさらに発展させ、APC/Asef複合体が関わる上皮管腔形成・維持機構やその破綻による癌発症機構の全体像を解明し、大腸癌の新しい分子標的治療法開発の為の足掛かりを得たいと考えています。