![]() 平成26〜27年度: 公募研究17脈管内腺構造の回転と浸潤・転移
研究概要低分子量G蛋白質Rasは、多くの種類の癌で活性化型変異が知られています。これまで私たちは、MDCK細胞からなる類器官では、活性化型Rasの発現により細胞周期の進行が促進され、内腔に細胞が満ちることを報告しました。また、生きたまま観察することで、類器官が回転することも発見しました。生体内の上皮組織では球状の腺構造が単独で存在することはなく、連続した上皮構造によってアンカーされており、腺管が回転する現象は考えにくいものです。しかし、病理診断でみる実際のヒトの癌の脈管には、球状あるいはチューブ状の腺構造が存在することが知られています。本研究では、類器官培養を脈管内の腺構造を模するものと捉え、腺構造の可動性の視点から癌の浸潤・転移の機構を解明し、新規の診断方法・治療薬に役立てることを目指します。 |